医学部を目指す受験生は『心身の健康』が重要
受験生を持つ母親にとって、子供の心身の健康はとても気になりますよね。最大の関心事と言っても過言ではないでしょう。
数ある学部の中でも最難関と言われる医学部を目指す受験生は、その難易度の高さから、人一倍の強いプレッシャーと毎日戦っています。そして、医者の家に生まれた子供など、親からの期待が高ければ高いほど、プレッシャーも強くなるでしょう。
もちろん、医学部は生半可な気持ちや中途半端な勉強で合格できるほど簡単な学部ではありません。日々多くの時間を割いて受験勉強に集中するのは大事なことですが、勉強ばかりしていたら息が詰まってしまいます。ストレス解消や息抜きをする時間も、勉強と同じくらいとても大切です。
あまり自分を追い込みすぎると、思い通りに成績が伸びなかった時にイライラしたり、自分を責めたり、周りの優秀なライバルたちと比較して焦燥感を募らせたりして、心身のバランスを崩してしまいます。集中して勉強に打ち込む時間ばかりだと、心身の緊張状態が続いて、様々な不調が表れてきます。
あまり根を詰めすぎないよう、適度にリフレッシュ、リラックスする気分転換の時間も大切にしましょう。
勉強以外から刺激を受けて視野を広げる
医師を目指す上で、人生の視野を広げることはとても重要です。たくさんの人の命を救い、人々を健康にする医師になるには、医学の専門知識はもちろん必要不可欠ですが、それだけでは務まりません。
専門分野外のことにも興味・関心を持ち、人の体だけではなく心の痛みがわかるような人間にならなければ、患者さんやご家族の苦痛を和らげ、健康でより良い人生が送れるようにお手伝いすることなどできないからです。
そして、医学部を目指して勉強した結果、たとえ将来医師にならなかったとしても、様々な物事や人との出会いから刺激を受けて、多感な思春期に視野を広げておくことで職業や生き方の選択肢が増え、人間的にグンと厚みが増します。
短期留学
夏休みなどを利用して、海外へ短期留学するのは子供の視野を広げるのに大変役立ちます。
我が家は、次男が現在イギリスに留学中なのですが、メールやテレビ電話でやり取りしていて、日本にいた時よりもひと回りもふた回りも成長したなぁと感じる場面がよくありますよ。
異国の地で日本とは違う文化を肌で感じ、言葉の壁にも苦労しながら、様々な交流を通じて得るものは計り知れません。
ボランティア活動
留学は時間的にも費用的にも難しいというご家庭なら、身近なところでボランティア活動に参加してみるのもおすすめです。
例えば、
- 障がいをお持ちの方のサポート
- 子ども食堂の運営スタッフ
- 福祉施設でのレクリエーション活動
など、興味関心のある分野から無理のない範囲で取り組んでみることで、きっと多くの学びを得られますよ。
私自身、緩和ケアに強い関心を持っていたので、アロマセラピーを取り入れているホスピスで、終末期の患者さんやご家族にハンドマッサージのボランティアをしていた時期があります。
後に看護師として勤務するようになって、その時のボランティア経験で学んだことがとても役立ったと感じています。
美術館など違う分野にふれる
受験勉強で凝り固まった脳には、普段の勉強とは全く違うジャンルのものに触れる時間も大切です。例えば、美術館やコンサートホールなどに足を運び、感性を磨き、心に潤いを与えることを意識して過ごしてみるのはいかがでしょうか。
音楽や絵画などにもセラピー効果があると言われています。自ら体感するという意味でも、何か気づきがあるかもしれませんよ。
大自然の中で過ごす
東京のような大都会に暮らしていると、どうしても学校や塾、予備校と自宅の行き来だけの生活になりがちで、普段はなかなか自然豊かな環境に身を置くことは難しいと思います。
だからこそ、日々の受験勉強のことはいったん横に置いて、たまには大自然の中で思いっきり伸び伸びと、ゆったりした時間を過ごせるきっかけを、親が与えてあげるのもおすすめです。
田舎に帰省したり、家族でキャンプやバーベキューに出かけたりして、頭で考えるのではなく五感で感じ、体を動かすことをメインにした時間を過ごしてみましょう。
大自然の中でストレスを発散し、心身のリフレッシュを図りながら、家族のコミュニケーションを深めることもできるので、一石二鳥になります。
読書をする
読書は準備も片付けも要りません。いつでも思い立った時に手軽に始められて、スキマ時間も有効に使えるので、忙しい時にもおすすめです。
憧れの人物の伝記や医学に関連のあるジャンルの書籍を読むのも良いですが、医療とは全く関連のない恋愛小説やエッセイなどを読むのも、脳の活性化やリフレッシュに役立ちますよ。
また、いわゆる名作と呼ばれる誰もが作品名と作者の名前くらいは聞いたことのあるような文学作品を、国語の勉強を兼ねて読んでおくのもいいかもしれませんね。
受験生である子供を導くことも親の務め
子供自身の意思や自主性を尊重して、あまり過保護にならないように見守るのは大事なことですが、高校生はまだまだ精神的にも肉体的にも子供の部分が多々あります。
医学部を目指す受験生は、医師という大きな目標があるがゆえに、ともすれば他の選択肢に目を向けられず、視野が狭くなってしまうこともあります。
私は医学部に合格できず看護師の道を選びましたが、医師になれなかったからといって、自分の人生を悲観したりしていませんし、挑戦させてくれた親には感謝しています。
可能な限り、今しかできない体験や勉強以外のことからの学びをたくさん得られる環境を作ってあげてくださいね。