医学部への「再受験」とは
医学部再受験とは、医学部以外の他学部に進学した人やいったん社会人になった人たちが、再び医学部受験にトライすることを言います。
再受験をする理由としては、
「かつて医師になることを目指して医学部受験をしたものの合格できずに別の進路を選んだけれど、やっぱり夢が諦められなかった」
「社会人になって様々な経験をした後で安定した地位と高収入が期待できる職業として医師を目指したいと思った」
といったものを挙げる人が多いです。
一度は諦めてしまった医師の夢を、並々ならぬ思いと人一倍の努力で見事勝ち取ることができれば、大きな自信になりますよね。
「再受験」で医師を目指す難しさ
医学部には編入という選択肢もありますが、編入は募集定員が大変少ないため、編入よりも医学部再受験のほうが合格の可能性が高いことが知られています。
とはいえ、再受験で合格するのも決して簡単なことではありません。医学部再受験の合格率は、20%前後だと言われています。
旧帝大の理系出身者や薬学、歯学、理系学部卒の修士、博士取得者といった、ハイレベルな人達が集まってくるので、倍率は20~30倍くらいです。
では、なぜ医学部の再受験で医師を目指すのは難しいのでしょうか。ここからは、その理由について解説していきます。
若い受験生のほうが有利である
医学部の再受験に比較的寛容だとされている大学もありますが、中には年齢制限を設けるなど、再受験生に厳しいと噂される大学もあります。
特に、二次試験での小論文や面接では現役生よりも、シビアに採点されるといった話も耳にされたことがあるかもしれません。
公式データはないため、あくまでも一般論としての話になりますが、医師として少しでも長く活躍してもらえるよう、できることならば現役生や一浪生を優先したいと考えている大学が多いようです。
そして、再受験生は志望動機について現役生以上に詳しく訊かれるケースが多いと言われています。
なぜ、わざわざ進路変更をしてまで医学部を目指そうと考えるようになったのか、現役高校生の時に医学部を目指さなかった人にはその理由を、かつて不合格だった人に対しては、再受験で何歳まで挑戦するつもりか等、圧迫面接ぎみの質問をされることもあり得ます。
受験勉強の時間を確保することが最大の問題
医学部に合格することは、現役生にとっても難関です。どのような事情であれ、いったん別の進路を歩んでいた人が一念発起して医学部を目指すなら、やはり勉強時間の確保が最大の問題となってきます。
医学部の再受験は、受験年齢が30歳を超える頃から合格率が急降下すると言われています。そして、35歳を過ぎるとさらに厳しくなります。
今後のキャリアプランをしっかり考え再受験する
いったん社会に出て得た経験は、医師になってからプラスになることもたくさんあります。
ただ、年齢を重ねて医学部に入った人は、そこから6年間の大学生活に加えて、2年間の初期研修が待っているので、一人前の医師として働けるようになるまでには10年近くかかります。
さらに後期研修も含めると、10年以上かかる計算になります。自身の年齢と今後のキャリアプランをしっかり考え、自分は本当に医師を目指してやっていけるのか自問自答して、慎重に再受験するかどうか決めることをおすすめします。