開設日 2005年 1月 2日
最終更新日 2017年 8月22日

   

港のまち、炭鉱のまちとして栄え、湿原を間近にのぞむ 道東の拠点・釧路。
ここは、1982年よりこの地に店をかまえる 豊文堂書店のウェブサイトです (店舗案内は、こちら を どうぞ)。


お知らせ
8/19 (土)  本店の新規入荷欄
郷土誌、石炭、文学、書誌、趣味の分野  計9点を 登録しました。

8/19 (土)  北大通店 古書目録
石炭、言語、芸術、文学の分野  計10点を 登録しました。
8/6撮影 第70回くしろ港まつりスペシャルパレードのミッキーマウスご一行様。(クリックすると 拡大します)
北大通店 2階 喫茶 ラルゴ Largo の 部屋 < 「喫茶ラルゴの新着情報」 >夜は口笛を吹くな
● ラルゴ ライブのお知らせ ●
8/26 (土) 開催  桂 歌蔵 落語会  釧路公演
8/27 (日) 開催  ベビー・ピーの旅芝居 『風あこがれ』  釧路公演
9/16 (土) 開催  影山ヒロノブ 2017年 ソロアコギの旅  9月北海道 「釧路」 編  完売しました
9/22 (金) 開催  ハシケントリオ 『ライジング』 リリースツアー  釧路公演
<ハシケン (Vo,Gt)、上地 gacha 一也 (Ba)、伊藤大地 (Dr) >

10/14 (土) 開催  バロンと世界一周楽団  釧路公演
<バロン (ウクレレ、タップダンス)、黒川紗恵子 (クラリネット)、熊谷太輔 (パーカッション) >


日替ランチメニュー、展覧会やライブ告知 の 情報は こちら から
喫茶 ラルゴ Largo の 部屋 入口

<豊文堂書店レコード部からのお知らせです>

 ただいま白金町の豊文堂書店 本店では、ジャズ・レコードの買入をしています。
 量が多い場合は出張いたします。 50枚以上であれば、道東一円も伺います。
 お気軽にご連絡ください。


 豊文堂書店 本店レコード部=北海道 釧路市 白金町 1番16号
 TEL/FAX  (0154) 22-4465           


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 平位公三郎さんの自伝コラム 「レコードの溝」 を更新しました。

 今回は、フロイドが90年代に発表した唯一のスタジオ・アルバム 『対 (TSUI)』 についてお書きいただきました。

  ピンク・フロイド 『Marooned/孤立』 (You Tube より)

               (2017年8月17日更新)

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 豊文堂書店の常連さんが書き手にまわる連載コラム 「本を繋げて」 を更新しました。

 今回は特別編として、 根室市在住の福田光夫さんによる 「泉川駅史考」 (先行公開版) を掲載いたします (こちら からお読みください)。

 北海道東部のとある駅と町のかかわりを見つめた貴重な論考であるのは勿論のこと、 福田さんの少年期の幸福な思い出と結びついた、これだけは書き残しておきたいという使命のようなものがお分かりいただけるかと思います。

 また、本編がこの時期に発表される背景には、 JR北海道が北海道新幹線開通の裏で進める赤字路線の廃止検討策への懸念も見てとれるでしょう (福田さんは3月下旬に廃止される花咲駅の駅史を現在編纂中とのこと。 追記: 『花咲駅史 1921.8.5-2016.3.25』 は2016年10月初旬に刊行されました)。

                (2016年2月1日更新)

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  2017年7月27日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第197試合

  1. バーバラ・ヴァイン
  2. 道新の朝の四コマ書いてる人の本
  3. 杉浦日向子
  4. ふくろう社?で出ていたようなイギリスの歴史の写真がいっぱいの本
  5. 田村能里子
  6. 水木しげるの妖精の本
  7. 鈴木光司 『光射す海』
  8. 横溝正史
  9. 石川啄木
  10. 光文社文庫のプルースト 『失われた時を求めて』
  11. マンガの本

 1〜6まで、同じ方からのリクエスト。 バーバラ・ヴァイン=ルース・レンデルの文庫をたくさんお買上げいただく。 岩波新書の 『カラー版 妖精画談』 が本店にあることをお伝えすると、 後で寄ってみますとのこと。

 お客さんがお帰りになった後、誤って1冊袋に入れ忘れていたことに気がつく。 本店の社長に事情を話し、くだんの方が来店したらこちらに連絡をくれるように頼む。

 1時間半後、お客さんが 『カラー版 妖精画談』 を探しにきたぞと社長から電話あり。 あわてて店を閉めて片道10分ほどを駆け足で駅裏に向かう。 無事に本をお渡しできたのはよいが、帰り道はゼイゼイ言いながらよろよろと戻り真っ白に燃え尽きる。
 11打数2安打。打率 2割4分8厘5毛。


  2017年7月26日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第196試合

  1. おすすめの本

 3週間前、旅行中のお客さんに頼まれて日時指定で道央方面に送った 書籍在中のゆうパックが受取人不在のまま戻ってくることになった。 相手の電話番号を聞きそびれたこちらのミスだが、 あちらの郵便局の再三の受取催促にも、先週当方が送った葉書の文面にもついぞ返事がこなかった。 ご無事なのだろうか。
 1打数0安打。打率 2割4分9厘6毛。


  2017年7月25日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第195試合

  1. 前にぶら下がってたあれ
  2. 阿川弘之
  3. 手芸の本
  4. コミック

 人工芝&電光スコアボードへと全面改修された 釧路市民球場 で、 日本ハム対ロッテの公式戦 が行われる。 雨にならなくて幸い。 前回の2009年の試合は降雨ノーゲームだった。

 試合開始前に、球場そばの総合体育館 「湿原の風アリーナ釧路」 で一汗かいてきた常連さん曰く 「向こうはお祭り騒ぎだったよ」

 2階の喫茶ラルゴのランチメニュー看板に 日本ハムのマスコットキャラクター が登場している。 作成はラルゴスタッフのフラカンさん。

 郵便局にゆうメールを出しに行って、 手ぶらで帰るつもりがふるさと小包 「珍味さんせっと」 のチラシを持たされる。
 4打数0安打。打率 2割5分。

 夕方、 劇団どくんご の2017年公演 「愛より速く FINAL」 を観覧するため、会場のつるい平田牧場へ向かった。 牧場があるのは、阿寒郡 鶴居村 字雪裡原野というところ。 危うく道に迷いそうになる。

 人里離れた山奥のような場所である。 同じテント芝居でも、これまで釧路の街中で見てきたのとはまるで違う環境に舞い上がる。 舞台の外に拡がる闇が深い。 灯りに群がる大量の虫たちもエキストラの一員か舞台装飾のようだった。
 終演後の打上げに参加させてもらった。


  2017年7月24日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第194試合

  1. 中性子爆弾の本
  2. 昭和57年に集英社から出た 『愛したい愛されたい』 という本

 電話で2の問い合わせあり。
 残念ながら在庫はないが、お客さんの話しぶりからなんとしても手に入れたいという強い思いが伝わってくる。 通話をしながらパソコンで探ると、Amazonに安価で出品されていた。

 悪徳業者に引っかかったらどうしようとたいへん不安がっておられたので、 出品者への評価の頁もありますしそんなに心配することはないですよ と Amazonの取り巻きのように言って落ち着かせる私。
 2打数0安打。打率 2割5分1厘5毛。


  2017年7月23日 (日)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第193試合

  1. 『サラとソロモン』

 植物部のタニさんが久々にご来店。 お互いの通信販売の話など。
 1打数0安打。打率 2割5分2厘3毛。

 北大通店の めくりめくられ: 今朝の毎日新聞の日曜書評欄。 紀田順一郎の新著 『蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか』 (松籟社) を取り上げた鹿島 茂の悲痛な文章が目を射る。

 その書出しは
 「いま日本の書籍文化は大きな危機を迎えている。 新刊の販売部数が激減しているばかりでなく、それぞれの家庭に所蔵されていた本が文字通り 「消えていく」 可能性が非常に高くなってきたからだ。 とりわけ深刻なのは、戦中・戦後の本への飢餓感から本をたくさん集めてきた蔵書家が老齢化していることだ

 や、今更カマトトぶるまでもなくその厳しさは日々の仕事の中でひしひしと感じとっていることなのだけれども。


  2017年7月22日 (土)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第192試合

  1. English Book
  2. ヘンリー・ミラー 『南回帰線』
  3. 30年くらい前の釧路の地図

 外国の方に洋書が売れる。
 3打数1安打。打率 2割5分2厘6毛。


  2017年7月21日 (金)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第191試合

  1. 俳句の同人誌 「鶏頭」
  2. 飯田譲治 『アナザヘヴン』
  3. 飯田譲治 『NIGHT HEAD』
  4. 英和辞典
  5. 角田郁雄 『大人のためのアナログレコードの愉しみ方 』
  6. 角田郁雄 『パソコンで楽しむ極上のオーディオサウンド』

 北大通店の めくりめくられ: 1ヵ月後に迫った2階喫茶ラルゴの 「 桂 歌蔵 落語会」 に備えて、積ン読してある落語の本をいくつか読んでみようと思う。
 まずは三遊亭円之助 『はなしか稼業』 (平凡社ライブラリー) から。

 「寄席の楽屋、売れない時代の地方巡り、名人への眼差し。 笑いのなかにほのかな哀愁がしみわたる、 貧乏と、芸と、珍人生のエピソードの数々。 さりげなく温かい眼差しが、落語への熱い思いを覆う」 とカバー紹介文にある通りの名調子にしみじみとよい気持ちになって読み終えたら、 巻末の立川談志の解説 「人生とは、恥ずかしいことなんだ」 で冷や水を浴びせられる。

 円之助の咄家になる前の境遇について本書がただの一言も記していないことを厳しくえぐって、 「ひとくちに言うと、自分の恥部を含めた己れのコンプレックスを、己れの社会とのリアクションを、 彼はひとつも書いていない」 と畳み掛ける。 なんておっかないんだ。 しかも相手はすでにこの世の人ではないというのに。 談志の筆は終始苛烈だ。

 けれどもこれもまた円之助と談志自身の資質の違いを際立たせ、 芸人の業なるものを鮮やかに照らし出す名解説なのである。
 6打数0安打。打率 2割5分2厘3毛。


  2017年7月20日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第190試合

  1. シベリア抑留問題に関する本

 辺見じゅん 『収容所から来た遺書』 が売れる。
 1打数1安打。190試合を終えて、640打数163安打。打率 2割5分4厘6毛。


  2017年7月19日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第189試合

 店前の花壇が 霧のガーデン と名づけられる。 看板作成は2階喫茶ラルゴの園芸大臣。
 0打数0安打。打率 2割5分3厘5毛。


  2017年7月18日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第188試合

  1. 「みをつくし料理帖」
  2. ギリシャ語の辞典
  3. ギリシャ語の聖書
  4. ビートルズ
  5. アルセーニエフ
  6. 伴 とし子
  7. 野菜のクレヨン

 2階の喫茶ラルゴで 「半田晴利 似顔絵展 スターに乾杯!」 がはじまる (29日まで)。

 夕方、コナリーさんがご来店。
 いつもは昼の早い時間にお越しになる方なので、「あれ、今日は遅いですね」 と声をかけましたら、 「こんな真夜中にごめんなさいね」 と芝居口調で返ってきまして、 これ、松居一代の動画とやらの物真似なんですね。
 私そうとは知りませんで適当に受け流していたら、 「松居一代やったのに気づいてくれなかった」 とコナリーさんに拗ねられる。

 7のクレヨンは、標茶町の Tuna-Kai 工房 特製のもの。 野菜といいますか、草木や土、それに蜜蝋も混ぜてつくっているという。 2階の喫茶ラルゴでお取り扱い中。 お求めいただけたのでこれも安打である。
 7打数1安打。打率 2割5分3厘5毛。


  2017年7月17日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第187試合

  1. 時刻表 (新しいの)
  2. 『さむけ』 に次ぐおすすめミステリー (性描写、暴力なしのもの)
  3. 『羊たちの沈黙』
  4. 『ハンニバル』
  5. 歌川国芳の本
  6. ネットに載っていた 『香水の事典』
  7. 編み物の本
  8. 沢木耕太郎 『深夜特急』
  9. JR北海道のパンフ (車内誌?)
  10. あれどこいった
  11. クリスティーの評論

 海の日。

 『ウィチャリー家の女』、『香水の事典』、「ユリイカ」 のクリスティー特集号が売れる。
 11打数3安打。打率 2割5分4厘7毛。


  2017年7月16日 (日)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第186試合

  1. 中島みゆきの評論 『満月みゆき御殿』

 社長と遠出。 戻ってきて夕方5時半より店を開ける。
 1打数0安打。打率 2割5分4厘4毛。


  2017年7月15日 (土)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第185試合

 2階の喫茶部長が、最愛のバンド ザ・グルーヴァーズ のライブを見に 岩見沢 へ旅立つ。

 北大通店の めくりめくられ: 笠井 潔と押井 守の対談集 『創造元年 1968』 (作品社) を読みはじめる。
 0打数0安打。打率 2割5分4厘8毛。


  2017年7月14日 (金)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第184試合

  1. 文庫で三浦綾子の 『岩に立つ』
  2. 前に買った百名山の本の下巻
  3. 長崎のことを書いた本
  4. 港まつりのパンフ

 「週刊文春×和田誠 メモリアルクロック」

 「週刊文春」 の表紙は今年で40周年を迎えたそうだ。

 電話で訊かれた1は、文庫ではないが単行本の在庫が本店にあった。 お客さんに知らせると、少ししてあちらでお求めいただけたみたい。

 他に2が売れる。
 4打数2安打。打率 2割5分4厘8毛。


  2017年7月13日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第183試合

  1. 法律の本
  2. 社会福祉の本
  3. 古い絵葉書

 昼時、2階からコップの水がこぼれ落ちてきた。 こぼした人がいるはずだが、下の古本屋の商品を気にして声をかけてくる気配はない。 オカルト記念日 だから、ただの超常現象だったとしても仕方がない。
 3打数0安打。打率 2割5分3厘2毛。


  2017年7月12日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第182試合

  1. いわさきちひろ
  2. 書道の本
  3. 前にそちらで1冊買った水墨画のシリーズの他のやつ
  4. 日貿出版の?
  5. 藤沢周平 『三屋清左衛門残日録』
  6. 朝9時のNHK-BSでやってた富士山の写真を撮っている大山行男さんという人の本

 1、2、5、6が売れる。
 6打数4安打。打率 2割5分4厘4毛。


  2017年7月11日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第181試合

  1. 英語の本
  2. 藤田宜永
  3. オートバイ関係
  4. 水引、香典袋
  5. いろんな人のが載ってる短歌の選集

 「レコード店に入るも写真撮るだけ 若者の奇怪行動に店側は…」

 北大通店の場合、レコードだけを写していく人は見かけたことがない。 店内を撮影しようとする人はちょくちょくいる (若者だけとは限らない)。 撮りたいときは声をかけてくれるとうれしい。
 5打数0安打。打率 2割5分0厘4毛。


  2017年7月10日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第180試合

 土曜日より珍しく夏日がつづいている。

 大阪のガス人間さんは小樽に滞在中。 宿の犬になつかれましたとメールに書いてあった。
 0打数0安打。180試合を終えて、602打数152安打。打率 2割5分2厘4毛。


  2017年7月9日 (日)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第179試合

 引きつづき 厳島神社 の例大祭。 北大通は静か。
 0打数0安打。打率 2割5分2厘4毛。


  2017年7月8日 (土)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第178試合

  1. 原田康子さんコーナー
  2. 桜木紫乃さんのコーナー
  3. 沢木耕太郎
  4. 中谷宇吉郎

 厳島神社 の例大祭があった。 午後、神輿や山車や笛や太鼓のパレードが北大通を通り過ぎる。 いっとき膨れ上がった見物の人々はパレードに攫われるようにしていなくなり、 すぐに元の静かな通りに戻った。

 九州からの旅行者の方と話が弾む。 戦前の映画フィルムの探索をしていたことがあるとのこと。 お話を伺うのに、先日読み終えた岡田秀則 『映画という《物体X》 フィルム・アーカイブの眼で見た映画』 (立東舎) が役に立った。
 アジアフォーカス・福岡国際映画祭 においでよと誘われる。

 宇吉郎ファンの常連の若者に 『中谷宇吉郎 ゆかりの人』 がもらわれていく。 中谷宇吉郎 雪の科学館 友の会発行の書籍。 私物だったが欲しい人のところにいった方がよいだろうと放出した。

 原田康子の 『虹』 の文庫本が売れる。
 4打数2安打。打率 2割5分2厘4毛。


  2017年7月7日 (金)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第177試合

  1. 絵本 「やかましい!」
  2. 大正琴の楽譜
  3. 動物の観察もの
  4. この間もらっていった猿の本の著者 (福田史夫)
  5. ミステリー
  6. バスにゆられて読みながらアンニュイな気分になるもの

 大正琴の楽譜の在庫はあったろうか。
 ありませんと一旦お答えしたものの、いや待てよともう1度棚を探ると何冊か出てきた。 自分で並べておいてすっかり忘れている。 危うく売り逃すところだった。

 「ミステリー」 を読みたい常連さんが 同時に 「バスにゆられて読みながらアンニュイな気分になるもの」 も探しておられた。 近々長距離バスで札幌に行かれるのだとか。 合わせ技で 「バスにゆられて読みながらアンニュイな気分になるミステリー」 だということにして、 ロス・マクドナルドの 『さむけ』 を勧める。
 1冊で2本の安打を記録したことにしよう。 や、『さむけ』 をバスにゆられて読んだことはないのだけれど、アンニュイな気分にはなりそうなので。 俺が法律だ!

 後藤久美子は神でしたね、すごい美貌でしたと、常連さんがゴクミの写真集を手にとりながら遠い目をして語る。 よく聞けば、以前芸能関係のお仕事をされていた方だった。 目が肥えた方の揺るぎない発言に説得されました。

 夜、2階の喫茶ラルゴで 「踊ろうマチルダ 弾き語りワンマンライブ」 釧路公演 を開催。
 立ち見が出るほどの盛況だったので、いつもは途中から観覧するところを遠慮して、 階下の受付席で聴かせてもらった。
 6打数3安打。打率 2割5分0厘8毛。


  2017年7月6日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第176試合

  1. ふじもとけんじの写真集
  2. 大阪の方言が載っている辞書みたいな本

 北大通店の めくりめくられ: 『灼熱の魂』 を見てロス・マクの人探し小説を読み直したくなる。
 2打数0安打。打率 2割4分8厘毛。


  2017年7月5日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第175試合

  1. 吉村 昭 『陸奥爆沈』
  2. 柴崎重行 『木塊』
  3. 竹沢美千子 『木霊の再生』
  4. 荒澤勝太郎 『花 ハマナスの花』

     < ズリ山裏道の遠くへ行きたい・番外編 >
 旅先のズリ山さんが北大通店めがけて送りつける、企みにみちた郵便物を逐一白日の下にさらす当欄である。

 赤毛のアンの絵葉書 が届いた。 投函先はなんとカナダのプリンスエドワード島。 消印がちゃんとアンのトレードマークをあしらっていて、これも一種の風景印か。
 差出人は、いつもこの手の郵便を送ってくださる 「風景印の魔術師」 ことズリ山裏道さん (愉快犯) ではない。 ましてや岩村誠二さん (模倣犯) でもない。
 花好きで知られるK子さんだった。

 先週まで北米旅行をされていて、小さい頃からの愛読書だったアンの世界に浸っておられたのだ。 K子さん本人はすでに帰国していて、 この日北大通店にやってくるとご自分で投函した絵葉書を満足そうに眺めていた。

 ズリ山さんと岩村さんが繰り出すどちらかというと男くさい郵便物とはまるっきり対照的な内容なので、 あえて <ズリ山裏道の遠くへ行きたい> 欄の番外編としてここに記す。
 4打数0安打。打率 2割4分9厘1毛。


  2017年7月4日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第174試合

  1. 居眠り磐音の30巻
  2. 浅野なんとかさんの 『小桜姫物語』
  3. 漢検1級に出てくる漢字を集めた本
  4. 松浦武四郎に関する本
  5. 釧路湿原の地図
  6. 辞書

 杉沢拓男の 『自然ガイド 釧路湿原』 が売れる。 湿原の地図が載っている。
 6打数1安打。打率 2割5分0厘8毛。


  2017年7月3日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第173試合

  1. 週刊誌
  2. 音別町の昔のゼンリン地図
  3. 橋の由来が載っている本
  4. 原田康子さん関連
  5. ちくま新書の阿満ちゃん

 印刷博物館 印刷の家 友の会

 釧路新書の 『「挽歌」 物語』 が売れる。
 5打数1安打。打率 2割5分1厘7毛。


  2017年7月2日 (日)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第172試合

 釧路未公開の映画を見に帯広まで車を飛ばす。 夜9時すぎのレイトショーだったので、店を閉めてから余裕で行けた。
 0打数0安打。打率 2割5分2厘1毛。 (K)
8月第三週の札幌の牧場にて 検索の小部屋
札幌市の岩村誠二さん撮影。同市北区の牧場にて。(クリックすると 拡大します)
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音楽コラム 「レコードの溝」 第41回 ピンク・フロイド その23  平位公三郎・文
 平位公三郎さんの自伝的音楽コラム 「レコードの溝」 をお届けします。 今回は、フロイドが90年代に発表した唯一のスタジオ・アルバム 『対 (TSUI)』 についてお書きいただきました。

  ピンク・フロイド 『Marooned/孤立』 (You Tube より)

               ×                 ×                 ×


 レコードの溝  第41回 『原子心母』 から 『永遠 (TOWA )』 へ
  〜ピンク・フロイド (その23・『対 (TSUI )』 前編)

                               「大阪のガス人間」 こと 平位公三郎 ・ 文


 3人になったフロイドの2作目、『対 (TSUI)』 が発表された1994年は、私にとっても忘れられない年だ。 その年の春は、雨が降らずにとても暑くて立木が割れたりしていた。 そして、その暑さのまま夏へと移行した。

 私は、人生最大の買い物 (新築マンション) をした。 そして、とても暑い8月の終わりに入居した。 そしたら9月の初めに、50年に1度という1時間に50ミリ以上ものゲリラ豪雨 (この言い方も今は懐かしい) に襲われ、前の国道が川のようになり、 そこから少し低いマンションの中にまで雨水が入り、機械式駐車場の地下の車が4台浸かった。

 その後のマンション管理組合総会で初代理事長になった私は、管理会社と被害に遭った車の補償交渉とかもやった。 何故か、やたらに張り切っていたのを覚えている。 手書きの 「理事会だより」 を発行していた。

 そして次の年、1995年の1月には阪神大震災が来て、新築マンションは大揺れに揺れた。 幸い大した被害はなかったが、この2つの出来事は未だに忘れられない。

  ★

 そんな1994年に、リアルタイムで購入した 『対 (TSUI)』 は、実はあまり真面目に聴いていない。 それは、この鉄板で作った人の顔が向かい合うCDジャケットが気持ち悪くて好きでないことも大きいが、 この新作の後に発売したライヴビデオとライヴCDばかりを見聞きしていたからだ。 (『P・U・L・S・E』 という作品)

 ライヴでは、もちろん新作からの楽曲も演奏していたが、 3人でアルバム 『狂気』 全曲を演奏していたのには驚いた。 その時、ウォーターズには悪いが、べース奏者のウォーターズの代わりはいくらでもいるが、 メイスンのドラムとギルモアのギターとライトのキーボードの代わりは、いそうでいないと思った。

 それは、彼ら3人よりも上手い奏者はいても、その <味> を出せないという意味だ。 ギルモアの自信に満ちた表情は、ウォーターズに勝った余裕に見えた。 (ウォーターズとギルモアは、裁判沙汰もあり観客動員数でも競っていたからだ。)

 そして、ビデオの最初の曲、「クレイジー・ダイアモンド」 で、 「シャイン・オン・ユー・クレイジー・ダイアモンド」 とギルモアが歌うと、 バンドの後ろの大きな円形スクリーンの回りに円状に設置されたライトが 一斉に客席に向かって白く光る場面に圧倒された。

 それは、まさに巨大なダイアモンドが輝いたように見えたからだ! それは、言うまでもなく、シド・バレットへのリスペクトと哀悼に思えた。 その円形のスクリーンには、ヒプノシス的なシュールな映像が流されていて、 これは一体どれだけ費用がかかってるんだ?と思わされたものだ。

 この 『P・U・L・S・E 』 のDVD を買って円形スクリーンに流される映像部分だけを観たら、 (失礼ながら) その無駄にお金を掛けた映像は、MTVでもPVでもなく、楽曲の内容に合致しているのでもなく、 非常に視覚的で感覚的なのだ。 言うなれば <芸術的> としか言いようがない。

 例えば、駅前の造形作品みたいな。 もちろん、銅像や記念碑ではなく芸術作品みたいな <無意味さ> なのだ。 その無駄さにサイケデリックの流れを感じたのだ。

 <無意味なことに意味付けする行為> を芸術的行為とするなら、それを見る私たちは考えずに感じることだ。 所謂 「考えるな!感じろ」 ということだ。 銅像や記念碑は現実的なので芸術ではない。 だから、フロイドのライヴは <精神の運動> ということになる。

 それに対して、ストーンズのライヴは <肉体の運動> だ。 ミックの動きやキースのギターに合わせて踊れば楽しいのだ。 ロックの楽しみ方もいろいろある。

 このフロイドのライヴは、大掛かり過ぎて日本では実現しなかった。 というように、初めは小さなライヴハウスでスライドショーをバックに、 ひとつの曲を延々と演奏していたマニアックなロックバンドが、ここまで巨大になったのだ。 いや、なってしまったのだ!

 どうやら、このライヴ映像とライヴCDで、お腹いっぱいになりアルバムを聴く意欲がなくなったようです。

  ★

 1967年、ビ―トルズが 『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』 を出した同じ年に レコードデビューしたフロイドは、サイケデリック・バンドと言われた。

 サイケデリックとは何か?

 この1967年が重要なのは、ビートルズが1962年のレコードデビューから5年かけてたどり着いたサイケデリックと、 フロイドのスタート (サイケデリック) が同じだったということだ。

 もっともフロイドも最初からサイケデリック・バンドだった訳ではなくて、 シド・バレットが加入してR&Bバンドからサイケデリックに変わった。 そういう意味でもバレットの功績はバンド在籍期間の短さに反してとても大きい。 言うなれば、バレット自身がサイケデリックだったということだ。
 サイケデリックからプログレッシヴ・ロックに変容して行ったバンドはフロイドだけだから、 その唯一無二の存在が光る訳だ。

 ところで、サイケデリックとは何か?と考えてみたい。 それは、LSDという幻覚剤によって得た幻覚を音楽や絵に表現したと定義されている。
 バレットは、フロイドに加入した時点で統合失調症で、既にLSD 中毒患者だった可能性がある。 その他のメンバーはバレットの症状を近くで見たからLSD に手を出さなかったという説もある。 ともかく、バレットが薬物によってミュージシャン生命を縮めて得た作品がフロイドを築き上げたと言えるだろう。

 でも、私はサイケデリックとは違う視点でプログレッシヴ・ロックの流れを見てみたいのだ。 それは、<ロック・スピリットの系譜> だ。

 ――因みに、私が最初にサイケデリック・サウンドを感じた楽曲は、 『サージェント・ペパーズ〜』 の前に出されたシングル盤の 『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』 とジミ・ヘンドリックスの 『真夜中のランプ』 だ。

 『ストロベリー〜』 のイントロのオルガンの音が時間を遡るように聴こえて不思議な気分になった。 高校の友だちの家でシングル盤を何度も聴かせてもらった。
 ジミ・ヘンは、『紫のけむり』 のイントロがハードロックに聴こえて、 『真夜中のランプ』 のイントロの方が幻想的だったからだ。――

  ★

 ところで、尾形光琳の琳派が、時代を越えて引き継がれたように、 ロック・スピリットをもった人たちが歴史上に時折現れる。

 それは、まずモーツァルトだ。
 私は、映画 『アマデウス』 を観て彼にハマったが、映画では面白おかしく彼の性格や性癖が描かれていたにしても、 当時としてはかなり型破りの天才だったらしい。
 ある映画評論家が 「18世紀のビートルズだ!」 と言ったのは当たっている。 モーツァルトは、権威や権力から自立して、音楽を王侯貴族のものから一般大衆のものに解放しようとした。 それがロック・スピリットなのだ!

 次は、モーツァルトから100年後に出現した詩人のランボーだ。
 ランボーは、私のヒーローなのだが、若い頃から家出を繰り返し、詩人たちと交わり事件を起こした。 そして、10代であの 『地獄の季節』 を書き、あっさり詩人を棄て、 最後は武器商人としてアラビア半島で亡くなった。
 その型破りな生き方!偉大な反逆者。 いうなればパンクロックの創始者だ。

 そして、時代は20世紀になり、1955年にスポーツカーで事故死したジェームズ・ディーンだ。
 彼の泣き顔は、ロックの哀愁と誠実さと一途さを表現した。 『エデンの東』 のキャル役で、やっと見付けた家を出た母親は、売春宿の経営者で、 何とか会えた母親と対面する場面や、厳格な父親に気に入ってもらいたくて、 父親の損失を補うために稼いだ金を受け取ってもらえずもがく場面は秀逸だ。 ラストの場面は泣けた!

 折しもエルヴィス・プレスリーの全盛期が1956年で、 プレスリーはマーロン・ブランドとディーンの演技に憧れたらしい。 だから、音楽と直接関係なくてもロック・スピリットを感じる人たちは存在する。 これが、<ロック・スピリットの系譜> だ。

  ★

 ロックンロールは、黒人のリズム&ブルースから発展し、リズム&ブルースはブルースから発展したとすると、 ロックの大元はブルースということになる。
 ブルースの歌詞は、大概が男と女のあれこれや仕事の愚痴や酒のことだ。 それは、ブルースが黒人奴隷の苦しみから始まり、 その歌詞の内容は人間社会の現実とリンクしているから普遍的になったのだ。

 私は、ローリング・ストーンズは、<ロックの荒野> を求めて転がってると思っていたが、 彼らは <ブルースの大地> を転がってるだけだと最近気付いた。 (もちろん、この言い方は彼らを軽く見ている意味ではありませんから、誤解しないでくださいね。)
 だから、ミック・ジャガーとキ―ス・リチャーズの歌詞は、殆ど男と女のあれこれということになる。

 ところが、フロイドの歌詞は違うのだ。 男と女のあれこれももちろんあるが、彼らは男と女のあれこれを通して別のことを表現しようとする。 だから、難解なのだ。
 そこにフロイトの心理学や哲学みたいな解釈?を滑り込まそうとする。

 それは、ブルースが1人でアコースティック・ギターを弾きながら歌うことから始まり、 ギターがエレキになりドラムとべースが加わり、さらにいろんな楽器が加わりサウンドの幅を広げて来たように、 歌詞の幅も拡大し生身の人間から遊離したように思える。 でも、根っこは同じだと思う。

 フロイドに例えれば、フロイドサウンドは、<空に浮かぶ豚> のように空中を漂っているが、 ちゃんと <ブルースの大地> とつながっているのだ。 (でも、時としてフロイドサウンドに疲れるとストーンズを聴きたくなるのは、バランス感覚だろうか? それは、私はストーンズの対極はビートルズではなくてフロイドだと思っているからだ。 何故ならビートルズはアルバムによってかなりサウンドを変えているし、 ビートルズは元々がブルースではないからだ。)

 ボブ・ディランの歌詞も難解と言われるが、ディランの詩は感覚的でストーリーがある。 だから、ノーベル文学賞なんだろうが、 英語圏でない人たちには細かい言葉のニュアンスが訳詞では伝わらない気がするのだ。 (余談だが、私はディランには 「ノーベル賞なんて要らねえよ!」 と歌って欲しかった。 …絶対にしないと思うけどね。 彼は、結構他人の評価を気にすると思う。 いや、表現者は皆そうだろうな。 他人の評価を元にして先に向かう力にするし、もちろん落ち込む人もいる。)

  ★

 つまり、ロックンロールが発祥するかなり前に、モーツァルトの軽さと明るさと自立心があり、 そこにランボーの反逆心が加わる。 ディランの詩には、明らかにランボーの影響がある。 そして、ディーンの哀愁や繊細さや、これはとても大切だと思うが <誠実さ> が加わる。
 そこにブルースの粘っこさが加わることもある。 (ディーンのスピリットは、イーグルスやジャクソン・ブラウンや ブルース・スプリングスティーンに引き継がれていると思う。)

 つまり、プログレッシヴ・ロックとしてのフロイドは、サイケデリックを出発点とし、 モーツァルトやランボーやディーンのスピリットを取り込みながら発展して来たと思う。 (もちろん、この3人は私が <現時点> で考えるロック・スピリットの代表格なので、 他にもいろんな人たちがいるのは言うまでもありません。)

 フロイドのこの姿勢は、ブルースやリズム&ブルースからロックンロールへ、 そしてロックへと発展して来た幾多のロックバンドの流れとは一線を画する。 いや、一線を画することでしかフロイドの進む道はなかったと思う。

 しかし、ここまでフロイドを追いかけて来て、 何故、こんな難解でやっかいなバンドを好きになったのか?と、つくづく思う。 フロイドの歌詞はブルースから出来るだけ遠くに離れようとしている。 それは、現実からの逃避というよりも、現実を遠くから眺めているようだ。 冷静なのだ!
 フロイドで、ブルース的なのはギルモアのすすり泣くギターだけだ! でも、やっぱりブルースを感じるのだ。

  ★

 と、一旦嘆いたところで楽曲に行きます。

 この、66分のアルバム全11曲は、実に心地好く流れたのが意外だった。 前作の 『モメンタリー・ラプス・オブ・リーズン』 が重く暗くツラかったのに比べて、 歌詞の意味を考えずに聞き流せばBGMとまでは言わないが、気持ちいい〜!

 それは、吹っ切れたギルモアの余裕綽々のギターが心地好く響き、あのメイスンのドラムが後押しをする、 あのフロイドサウンドだからだ。
 欲を言えばライトのキーボードがもっと欲しかったが、 まあ、よくここまでフロイドサウンドを再現してくれたと思う。 (ライトが残した音源を元にして、フロイドのラストアルバム 『永遠 (TOWA ) 』 が作られたから、 やはりライトは 『対 (TSUI )』 の時点ではもっと演奏していたのだ。)

 もう一つ欲を言えば、叙情に流れがちなギルモアの楽曲にウォーターズの香辛料が加われば完璧だったが、 …それは叶わぬ夢だな。 何せ、これが3人揃った (実質) 最後のアルバムなのだからね。 満足せねばと思う。

 と、ここまで書いたところでビッグニュースが入って来たのですよ。

 何と! 『完全永久保存版 ピンク・フロイド全記録〜THE COMPLETE PINK FLOYD』 が発売されるというのです。 早速予約しましたが、私としてはもっと早く出してくれよ!ということですよね。 これが、2017年8月31日発売予定なのです。
 だから、『対 (TSUI)』 の楽曲については次回にしますので、悪しからず!

 と、いうことで後編に続きます。

                              (その24につづく)



                                  (2017年8月17日掲載)

                               これまでの 「レコードの溝」は こちら です。
常連さんのリレー連載 「本を繋げて」 第41回 特別編  福田光夫 「泉川駅史稿」 (先行公開版)
 豊文堂書店の常連さんが書き手にまわる 「本を繋げて」 という連載コラムを設けました。
 本に魅入られ、ときに格闘しながら、歩みをともにしてきた方々が、とっておきの話を持ち寄ってくださいます。 いずれも広い意味での 「発見」 にまつわる物語になるでしょう。
 本を繋げて人を繋いで、読書の愉しみ、探書の悦びが少しでも身近になりますように。

               ×                 ×                 ×


 「本を繋げて」 の特別編として、根室市在住の福田光夫さんによる 「泉川駅史考」 (先行公開版) を掲載いたします。

 北海道東部のとある駅と町のかかわりを見つめた貴重な論考であるのは勿論のこと、 福田さんの少年期の幸福な思い出と結びついた、これだけは書き残しておきたいという使命のようなものがお分かりいただけるかと思います。
 また、本編がこの時期に発表される背景には、 JR北海道が北海道新幹線開通の裏で進める赤字路線の廃止検討策への懸念も見てとれるでしょう (福田さんは3月下旬に廃止される花咲駅の駅史を現在編纂中とのこと。 追記: 『花咲駅史 1921.8.5-2016.3.25』 は2016年10月初旬に刊行されました)。

 今回発表分は先行公開版だということですが、追加情報を加えた完全版の執筆も構想しておられます。
 長文のため、中盤以降は別ページにリンクを貼ってお読みいただけるようにしました。 画像はクリックすると拡大できます。 ぜひ最後までお付き合いください。



 第41回 特別編 「泉川駅史稿 (先行公開版 2015.1.6 現在)
                                              福田光夫 ・ 文


  ■はじめに

 平成元 (1989) 年4月29日、根釧台地の発展を支えてきた標津線が廃止された。 人々の夢や希望、あるいは絶望を運び続けた標津線の全貌は、個々の記憶や映像類、 同年に発行された 「彩雲鉄道 標津線56年の歩み」 等をもって、今も語り継がれてきている。
 そんな標津線の駅のひとつに 「泉川駅」 がある。 正真正銘、本物の僻地にあった駅である。 この駅に愛着を感じている人たちは、当時、住んでいた人たちか、秘境駅として訪れたことのある特定の鉄道マニアしかいないだろう。

平成元年4月29日の泉川駅。(クリックすると 拡大します)

 「泉川駅」 のあった市街地は戦後、急速に発展し、急速に萎んでいった特異な歴史を持つ。 今は、市街地部分は消失し、点在する酪農家が泉川を支えている。
 まだ市街地が少し残っていた昭和40年代に、父親の転勤の都合で、 小学校2年から6年生までの5年間、駅の近くに住んでいた者が駅史をまとめてみた。

 私は、昭和49 (1974) 年3月に廃校となった泉川小学校、最後の卒業生8人のなかの一人であったことを先に書いておく。
 泉川小学校の校歌は 「根室広野の樹木 (きぎ) あおく…」 で始まる。
 「泉川駅」 とは、そんな場所に、ポツリと出現し、ひっそり消えていった。 戦後70年のなかで辿った 寂しい駅の物語である。


  ■標津線の全線開通

 「泉川駅」 を語る前に、標津線全体のことを簡単に解説する。
 標津線は 「標茶駅」 と 「根室標津駅」 を結ぶ横の線 (69.4km 全線開通前は標茶-中標津間を標茶線と呼称) と、 「中標津駅」 と 「厚床駅」 を結ぶ縦の線 (47.5km) がT字状になっていた。 根釧台地に入植した人々の動脈路として、生活や産業を支えてきた。

「中標津西別間鉄道開通記念ゑはがき」袋の表紙。(クリックすると 拡大します)

 昭和9 (1934) 年10月発行の祝標津線開通記念 「新根室41号」 によると、 大正10 (1921) 年に根室本線が根室駅まで開通するや、直ちに本格的な標津線の建設運動が始まった。 翌大正11 (1922) 年4月法律第37号鉄道敷設法中に 「根室厚床附近より標津を経て北見国斜里に至る鉄道」、 即ち根室原野縦断鉄道が予定されるに至った。

 最初に開通したのが、「厚床駅」 と 「西別駅」 間で、昭和8 (1933) 年12月1日に開通した。 次いで 「西別駅」 と 「中標津駅」 間が、昭和9 (1934) 年10月1日に開通し、縦の線ができた。 もともとは、「厚床駅」 から 「根室標津駅」 までが標津線の名称だった。 「標茶駅」 と 「中標津駅」 間の路線は、後で追加され、奥地の拓殖事業の推進に対応したものだった。
 次に 「標茶駅」 と 「計根別駅」 間が昭和11 (1936) 年10月29日に開通し、 「根室標津駅」 までの全線開通は、昭和12 (1937) 年10月30日のことだった。

 当時の標津村が発行した 「中標津西別間鉄道開通記念ゑはがき」 が手元にあるので、 袋の表紙と、封入されていた4枚の絵葉書を掲載した。 袋の表紙にある地図を見ると、標茶−標津間が開通していない。 標津線と関係のない写真もあるが、中標津地域の 「ご自慢」 が何であったのか、分かるので掲載した。 なお、鉄道マニアにとってバイブルの 「彩雲鉄道 標津線56年の歩み」 には、いずれも未収録の資料である。

中標津駅。(クリックすると 拡大します) 標津市街全景。(クリックすると 拡大します) 養老牛温泉。(クリックすると 拡大します) 農事試験場根室支場。(クリックすると 拡大します)

 全線が開通した際には、鉄道省北海道建設事務所が 「標津線標茶線全通記念絵葉書」 を発行している。 袋の裏面が建設要覧になっており、線路平面図1葉や絵葉書4枚が封入されていた。 こちらは 「彩雲鉄道 標津線56年の歩み」 にも白黒写真で掲載されているが、ここでは、袋の両面と絵葉書4枚を掲載した。

「標津線標茶線全通記念絵葉書」袋の表面。(クリックすると 拡大します)

 袋の表側の絵は、国後島に向かっていくようなSLの後ろ姿が旅愁を誘う。 まさか、その8年後、ソ連に不法占拠されてしまうとは、誰も予想はしていなかっただろう。 今見ると、何か苦難を暗示しているかのような図柄だ。 裏の建設要覧は、標津線の建設事情を知るための第1級資料である。

「標津線標茶線全通記念絵葉書」袋の裏面・建設要覧。(クリックすると 拡大します)

 (建設要覧は、標津線と標茶線に分かれている。なぜ、標津線に統一されたのか調査中)

 なお、私の手元にあるのは、線路平面図が欠落している。 地図を見たい方は、「彩雲鉄道 標津線56年の歩み」 を参照願いたい。 その代わり、この駅史のおまけとして、バイブルの方には未収録の 「尾岱沼の蝦取船」 絵葉書を掲載した。 「尾袋沼」 と誤植がある。 直接、標津線とは関係ないので、掲載しなかったのだろう。

根室標津停車場。(クリックすると 拡大します) 標津線第二標津川橋梁。(クリックすると 拡大します) 標茶線十六粁附近直線路。(クリックすると 拡大します) 尾岱沼の蝦取船。(クリックすると 拡大します)

  ■泉川の地域史と駅の誕生

 別海町と厚岸町及び標茶町の境界線近くあった 「泉川駅」 は、「標茶駅」 の東隣の駅となるが、 間には 「多和乗降場」 (標茶駅から2.6km) があった。 「泉川」 の東隣の駅は、昭和42 (1967) 年4月1日に、地域の請願によって開設された 「光進駅」 で、終始、駅員無配置だった駅である。
 「泉川駅」 は、標津線の全線開通から7年後の昭和19 (1944) 年5月1日、 まずは仮信号所として開設され、同27 (1952) 年3月25日、一般駅に昇格した。

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                                            (2016年2月1日掲載)
随筆再録 第12回 「近未来の釧路市北大通繁盛記」 豊文堂書店 店主 豊川俊英 ・ 文
  近未来の釧路市北大通繁盛記   一古書店主の夢想
                                    豊文堂書店 店主 豊川俊英 ・ 文


 ――賑わっている。
 釧路駅から幣舞橋、それに橋向こうの南大通りの3軒をいれると、 この地区には何と25軒の古本屋が出来てさらに出店予定が4軒、 また全国チェーンの大型新古書店も進出を窺っているとの噂だった。
 北大通周辺はホテル街と古本屋街、それに従来よりの銀行・金融機関、各種公共施設、民間企業、個人商店がうまく絡み合って、 今や 「北の神田」 「北海道古本特区」 と呼ばれ、日本中より本好きを集めていた。

 JRや航空各社も競ってツアー商品を企画している。
 HACの 「函館・旭川・釧路、古本・温泉満喫の旅」、JALとANAも 「知床・釧路湿原・阿寒観光、古本探索ツアー」、 JRはお得意の3輌のSLを使って、根室―網走迄の特別列車 「SL古本号」 だ。 書棚のついた特別車輌を連結して車内販売もしております。
 来春には東京〜釧路間のフェリーも復活が決まった。 首都圏から自転車やバイク、乗用車で沢山の人が来るだろう。

 北大通商店街は確実に昔々の賑わいを取り戻しつつある。
 空き店舗に手頃になった家賃の魅力で若い人がここ7、8年の間にどんどん開業して増殖したのだ。
 古本のインターネット全盛時代は一服し、商売はやはり対面販売でという社会の変化と、 小さくても個性のある品揃えの店に再びお客さんが戻って来たのである。 オタク的な店主もいるが、その 「オタク」 を専門にしてしまったのである。

 高齢者や障害のある方にも配慮して手すりをつけ段差がなく、 店内を自由に見れる店も3軒あり各店ごとにトイレや休憩所も整備中である。 観光案内、荷物の一時預り、みやげ物販売、古本屋案内も兼ねた 「道の駅」 もあり好評である。 アジア各国からのお客様にも対応出来るようだ。

 駐車場のスペースが確保出来ない等の理由で、出店が遅れていたコンビニ業界も、今は各社が進出し競っている。 新刊書店の大手 「トーチャンゴー」 も40歳以上のお客様に的を絞った新店を現在十字街に建設中である。
 かつて中心街を運行していたあの懐かしの 「くるりん」 も 「こしょりん」 と名前を変えて元気に走っている。 現在は3台が稼動中であり、大切な足となっている。
 古本好きは地味ではあるが確実な滞在型であり1泊・2泊して地域の経済に大いに貢献してくれています。

 高速道路も整備されて出入口の阿寒は、重要な第2の古本屋地帯になろうとしている。 自然の中の樹々に囲まれた静かな地域に、主に美術関係を扱う店が数軒出来て、 一緒に進出して来た骨董店、レストランとミックスして軽井沢のような地域になってきた。 温泉もあり何といっても釧路空港に近いのが、最大の利点であるようだ。

 一方、阿寒湖畔の各ホテルもこの釧路・阿寒の動きを黙って見逃すはずはなかった。 温泉街にも古本屋が出来て、老舗のあるホテルは2つある宴会場の1つをつぶし、ホテル内にちょっとした古書店街を作った。 神田の古本屋もテナントとして頑張っている。

 都心部の栄町にはさらに古書会館が出来て、内外から業者が集まり週に2日はセリ・交換会が行われている。 会館の2、3階は釧公大、釧教大、釧路短大、釧路高専のゼミの学外教室となり、交代でうまく使って交流を深めていた。 若い人もどんどんこの北大通周辺を闊歩するようになって、街が息を吹き返してゆくのが手に取るように分かった。
 周辺では急ピッチで若者向けのアパート・マンション、そして対照的ではあるが高齢者向けのマンションも建設中である。

 ここで古本屋街の各店を紹介してみよう。
 釧路駅前には鉄道・交通専門店の 「SL釧路」、少し行くと文学・郷土誌専門の 「サビタ書房」 と 「豊文堂書店」、 1本裏通りに写真・美術専門の 「キャパ書院」、SF・コミック・サブカルチャー専門の 「ウルトラアトム」、 十字街には絶版文庫専門の 「久寿里文庫」、MOOの中には自然関係、 特に鳥類が専門の 「鶴屋書房」と、鯨や魚類専門の 「鯨書房」・・・。

 ほかの映画館も紹介しよう。 小さいながら3館あります。
 名作と古いアニメ専門の 「釧路名画座」、「北8シネマ」 は古本・中古レコード・ビデオ・CD・DVDも販売し、洋画も上映しています。 「大人の映画館」 はそのまま、昔の日活映画を中心にちょっと色っぽい映画を上映、何とかやっています。
 ――いい時代になりました。

 (「釧路新聞」 平成17年 (2005年) 11月14日 (月) 付紙面より再録。 掲載にあたり、適宜段落空けを増やし句読点などを加えています)


  <現在の執筆者より>
 「俺が書いたやつで最高ケッサクだ!!」 「SFだって言ってんのに、真に受けてどこにそんなにたくさん古本屋があるんですかって訊いてきた、そそっかしいのがいたな」



                                          (2013年11月24日掲載)

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